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からからからから。

風鈴の音の浮遊物体。がらすの歩行者。

太陽のかみさま。仕える女たち。空間を日と影で分離させ。わわわわわ。

 

道で女児に話しかけられる。

「おにいさん。わーおにいさんおにいさん」

午前中で帰宅の、ランドセルの女児。

「あなた、いくつ。いぃくつなの?」

いぃくつなのかを問われる。

「18歳」

「えー見えない」

「ほんとほんとだよ」

ぼくは保険証を出す。腰を屈めようとすると女児が無理やり保険証を取る。

「1999年」

「今、2017年だから、ぼくは18歳だよ」

ぼくは自分の年齢を、年齢を回答する。

「今2017年だから」

女児は保険証をまじまじと見る。

「なるほど」

ぶかっ。ぶかっ。ぶかかかかかっ。ぶかっぶかっ。

 

ぼくはクローゼットの中にいる。涼しげなクローゼットの中で。水のなかで。まるで井戸。井戸のみずを汲んで、それをこうわすこうわすと飲んで。